うぐいすの谷渡り
Bird over the valley
「うぐいすの谷渡り」は、私が最も好きなけん玉の技の一つです。けん玉を始めた頃からずっとやりたいと思っていた技だったので、初めて成功した時の感動は、今でもはっきりと覚えています。絶妙なバランスの上に成り立つ非常に繊細な技で、これを、木の枝に止まる鶯と見立てたネーミングはごく自然であり、けん玉を愛してきた方々の実直で素朴な感性が伝わってきます。もっとも「うぐいす」は、玉の穴を大皿(または小皿)の縁にしっかりと乗せ、剣先で支える形となれば、非常に安定します。乗せた後のバランスよりも、乗せるまでの集中力、玉をまっすぐに引き上げることが大切です。そして「谷渡り」です。これは「うぐいす」の状態から玉を浮かし、けんを飛び越えて反対側の方へ移動し、再び「うぐいす」を完成させるという技です。谷間を、鳴きながら飛び交う鶯の姿を思い浮かべれば、きっと成功するはずです。と言いたいところですが、自分の中でのコツとしては、膝を使って玉を上に浮かせ、その間にけんの角度を変えて、落ちてくる玉を膝で柔らかくキャッチするイメージを大切にしています。

使用したけん玉は、ENGI KENDAMAの初代のモデルでBコートと呼ばれるペタペタの塗装が施されたけん玉です。イベント限定カラーのグリーンがとても綺麗で気に入っています。このけん玉は2017年のTOKYO KENDAMA DAYという催しに参加した際に、ENGI KENDAMAブースにいらしたの製作者の方から直接購入した思い出深き一品です。ブナを使用したけん玉で、持った感じはやや細身に、そして軽く感じます。なので、使う時は、自然と余計な力が抜け、「うぐいす」や「たけうま」といったバランス技がやり易いのかも知れません。(使い込んだため、穴が広がっていることもやり易い要因と思います。そのせいかある別のイベントでは、このけん玉をミニゲームで使用された主催者の方から「うぐいすマシーン」なる異名を授けて頂きました。)

※動画では谷渡りを何往復かしていますが、本来の「うぐいすの谷渡り」は、「うぐいす」から反対側の皿に移って「うぐいす」を完成させた後、回転させずにけんに入れて完了です。